をんなが付属品をだんだん棄てると
どうしてこんなにきれいになるのか、
年で洗はれたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生きものが
生きて動いてさつさつと意慾する。
をんながをんなを取りもどすのは
かうした世紀の修行によるのか。
あなたが黙つて立つてゐると
まことに神の造りしものだ。
時時内心おどろくほど
あなたはだんだんきれいになる。
どうしてこんなにきれいになるのか、
年で洗はれたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生きものが
生きて動いてさつさつと意慾する。
をんながをんなを取りもどすのは
かうした世紀の修行によるのか。
あなたが黙つて立つてゐると
まことに神の造りしものだ。
時時内心おどろくほど
あなたはだんだんきれいになる。
(千恵子抄 昭和二・一)
この詩。
すごくないですか?
高村光太郎が結婚13年目にして詠んだ詩です。
いくら仲の良い夫婦でも、5年、10年と一緒にいて何の変化もないなどということはありえない。でもお互い変わりながら、その関係を進化させていっている様子が、この詩からは透けて見える。
女性から見て、詩の中身自体が「目がハートになるほど」素敵だけれど、そんな文脈から考えると益々スペシャルな一篇に思えます。
もし、あなたが男性でこれを読んでいたら、是非大事な女性に贈ってあげてください。
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