January 21, 2010

Books

先ほど本の話題を書いたので、年末年始で読んだ本を少し。実は12月後半からネタは溜まりに溜まっていて、ただブログを書いていません。

さよならドビュッシー」中里七里

本屋さんで今年の「このミステリーがすごい!」大賞に選ばれていたので、買ってみました。たしかにミステリーとしては良くできているし、主人公が障害を負うことになるストーリー上、いろいろとその手の話も出て来て「ふうむ」となるのですが、あんまり私の好みじゃないです。深みがない。

だからといって万城目学さんの本にどんな深みがあるかといわれると言葉に窮する訳ですが、なんだろう、本を読み終えると目の隅に見えてくる別な世界があるか、ということでしょうか。障害者を主人公にして無理矢理どんでん返しを作っているように感じられるのです。イマイチ。

とはいえ、今年の大賞に選ばれただけあって良い作品なのだと思います。わたしの好みが変わっているだけだと思います。なんせ村上春樹が好きじゃないと言っている人には滅多にお目にかかりません。

Ender's Game by Orson Scott Card
エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))
年末年始、実家に帰っても暇なのですが本を沢山持って帰るのも重いので、編み物の友にと思ってオーディオブックを大量にダウンロードしました。(Audible.comを愛用しています)その中の一冊が、これ。本としてもオーディオブックとしても非常に評価が高くて、全く聞いたことがない作者の作品だったにも関わらず手を付けてみたものです。
これは文句なしに面白い。
未来の世界、宇宙から別な生命体に侵略されそうになって以来、宇宙戦争を戦う精鋭部隊を育てるために子供の頃から英才教育をする事態になっています。宇宙で戦う人材は地上とは違う感覚とものの見方を身につけなければならない、ということで、見込みのありそうな子供を集めては宇宙基地に送りひたすら司令官を育てる教育をするのです。エンダーという男の子もその一人。非常な知能を持ちながら人格的にも適任で、司令官養成学校でメキメキと頭角を現します。
でもこの本の面白さはそんなSF的な部分にあるのではなく、エンダーとその姉のヴァレンタインの心の葛藤にあります。二人にはさらにピーターという兄がいるのですが、ピーターの残忍で狡猾なこと。エンダーもヴァレンタインも自分の能力を伸ばしたい一方で、自分の中に潜んでいるかもしれない「ピーター的人格」の陰に怯えます。
いや、とにかく面白い。Amazonのレビューによると翻訳はイマイチのようですが、原作もそんなに分厚くないんじゃないかな。いずれにしても面白いです〜。是非映画化してほしい。

これ以外にもオーディオブックで発見!した本がありますが、そのネタはまた別の機会に。すごく面白いので、そう簡単に書けません。

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