December 29, 2008

The Tales of Beedle the Bard

Harry Potterの著者、J.K Rowlingの新作。Harryと同じ世界で展開する、魔法使いの子供たちが読むおとぎ話という設定です。もうHarry Potterの続きは書かないと著者が言っており今後Harryの世界の登場人物には会えなくなることを考えると、貴重な一冊だといえます。

魔法の世界に伝わる「グリム童話」みたいな「Beedle the Bard童話」を、オリジナルの言語(ルーン語)から英語に翻訳したのはハーマイオニーで、書斎で発見されたダンブルドアの解説付き(さらに著者の脚注付き)という不思議な設定。童話はどれも本当らしく、そして変な内容です。子供の頃に相当な量の童話を読みましたが、童話ってちょっと不自然で残酷なものが多いですよね?この本の童話もその変さ加減が本物らしくて、創作っぽくないです。そして、ダンブルドアの解説がこれまた笑えます。全然関係ない話に脱線したり。

最後の1つ、The Tale of the Three BrothersはHarry Potterの重要な局面で出てくるお話。これを読んでやっと話が繋がった気がしました。と、ふと考えてみると、Rowlingは本編を書く際に少しだけ触れられている寓話の内容まで考えているんですね。脱帽っていうか、本当に凄いです。「この魔法をつかって200年前にこういう失敗をした人がいる」みたいなディテールまで練ってある、そんなどうでもいい無駄話が物語を膨らませているんだな。

桃太郎もいいけど、子供がいたらこういう童話を寝る前に読んであげたいな。変な子供になりそうでステキ。

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