February 13, 2009

Twilight


日曜日の夜American Idolを見終わってから徐に読み始め、まだ心はシアトル郊外の森を彷徨ってます。
バンパイアに恋する女の子が主人公の小説で、「バンパイア」っていうのも主人公が高校生っていうのも引っかかって避けていた本。別にホラーが嫌い(注:ホラー小説ではない)って理由でもなくて、なんとなく私向きではないな、と。世の中の多くの女性とは反して、美しくて危険な生きもの、というものに特に何のセクシーさも感じない。。。健康的なほうが好き。
でも昨夏にNYで本屋さんに行ったら何処にも此処にも大量に平積みしてあるし(しかもウォール街のBarnes&Nobleでさえ)、Amazonでは何度もお勧めされるし、とりあえず購入。でも最近編み物をしていて本が読めなかったので、なんとなく放置。
ところが、先週友人に「超面白い、お正月ぶっ潰して読んだ」と絶賛され、ついに手に取りました。彼女も私と読書Habitが同じで、読み始めると止まらないタイプ。朝4時まで読んで、6時に起きてまた読み始める、って生活をしていたとか。。。わたしはもっと寝ちゃうけど。
Twilightというのが1冊目で、New Moon、Eclipse、Breaking Dawnと続きます。日没から真っ暗な夜を経て、月が欠けて、そして朝日が昇る、タイトルだけでそんな世界観を作っている。いま私はワシントン州郊外の真っ暗な森のなかで、追っ手が迫って来るなか空を見上げて梢の合間から月食を目にしたところです。
ところで、この物語には吸血鬼と狼人間が宿敵として出てくるのですが(こうやって書くとホントゴシック)、映画のヴァン・ヘルシング(結構好き)でも全く同じ構造(ヴァン・ヘルシングという吸血鬼退治のプロが狼男に変身して戦う映画)。ただWikipediaで調べてみると、通常は特にセットで出てくることはないようです。人狼も吸血鬼もとても古い伝承に遡れ、吸血鬼はとくに東ヨーロッパとは言われていますが、かなり広い地域で様々なお話が残っています。なんでそんな話が生まれたのか、何の根拠があるのか、結構気になってしまいます。
ちなみに、現在一般的に吸血鬼やドラキュラとしてイメージされる特徴は100年以上前に書かれたブラム・ストーカーの「ドラキュラ」という作品から来ているそうです。貴族階級でタキシードで、といったイメージは、この作品が後に舞台で上演されたときに出来上がったものだそう。そして、アイルランド人だったストーカーが「滅び行くイギリスの貴族階級」というイメージを込めて書いたところからも来ているらしいです。常に哀愁漂う雰囲気が付きまとうのも、そんな理由からでしょうか。
このTwilightシリーズでもこの作者の考える吸血鬼の特徴やイメージというものがあります。たとえば「冷たくて石のように硬い」とか「呼吸をする必要がない」とか「ものすごく速く動ける」といったものや、日の光に出ると肌がダイヤモンドのように光るので、目立つから天気のいい日は外に出ない、など。
こうやって伝承や創作が少しずつ積み重なってイメージが出来上がっていくんだろうなあと想像すると、興味をそそられます。

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