May 23, 2010

Where would the editorial culture go?


こっそりと編集の学校に行き始めました。先週の開講式ははちょっと体調が悪くて休んでしまって、昨日の補講が初回。開講式に行けば良かった!補講はスゴく面白かった。
学校は宣伝会議という雑誌を出している会社が主催している、編集者・ライター養成講座という半年間の学校です。高校生から60代の方までいるらしいですが、昨日見たところ大学生を含め20代が殆ど。学生が、そして女性が圧倒的に多そうです。大学に行っているのに、就職するために学校に行かなければならないほど厳しいのか、とも思いますが、それは置いておいて。
この講座に行ったからといって編集者になろうという訳ではありません。ただ、編集というスキルはなにかを作り上げることに関わるどの仕事にも通じるものだし、それを生業とする一流の方々の話を聞けるのは面白いかな、と。今出版業界がどうなっているかも気になるし、実は来ている大学生たちとお喋りしたい、という動機もあります。今の20代の子たちが何を考えているか、それは分かるのですが、どうしてそうなったか、どこに向かおうとしているのかが分からない。でもマーケティングに関わる一人として世代ギャップを埋める努力は欠かせないものかな、と。もちろん本を読めば簡単だけど、本では肌感覚は掴めない。
30代半ばにいてスゴく感じるのは、今の40前後以上のグループと30未満のグループ、全然違う方向に向かっているということです。明治維新とか戦前戦後とかなら分かるけど、こんな平穏な時代にこれほど価値観が混乱しているのはどういうこと?30代はそのどちらでもなく、そしてどちらも少しずつ入り交じっていて、狭間にいる感じがします。

ところで、最初にBrutus最新号の表紙を載せたのは、開講式のスピーカーの一人が現Brutusの編集長、西田さんだったから。行かなくて後悔したのは、そのため。Casa Brutusの中でも私が永久保存版にしてきた号などは、西田さんがなんと独自に担当してきたことなどが、お話を聞いて判明しました!大興奮。(でも見てみたら、引っ越しに伴って殆ど処分してしまっていました。。。悲しいけど、でも内容は私の中に既に取り込まれて常識化しています。たとえば、Casa初期のランドスケープ特集や柳宗里特集など。何年も見返した思い出の号です。)
西田さん曰く、「最近はお金を払って来ているセミナーでも、みんなTwitterでどんどん中身を発信してしまう、しかも140文字なのでコンテクストもなく結論だけ、必ずしも正確ではない内容が流布される」。(コメントの要約です、正確ではないかも。)わたしもその通りだと思う。なので、ここで紹介するのは「お墓に一緒に入れてもらいたい自信作」と仰っていた幾つかの号だけを。
一位はこれ。
BRUTUS ( ブルータス ) 2010年 2/15号 「ほぼ日と作った、吉本隆明特集」
一冊選ぶとしたらこの号だそう。とても思い入れのある内容とのこと。
BRUTUS (ブルータス) 2009年 3/1号 「なにしろラジオ好きなもので。」
この号のおかげでラジオのこれからを話し合う審議会のメンバーに選ばれたそう。
BRUTUS (ブルータス) 2008年 6/15号 「ザ・三谷幸喜アワー」
編集の極意が凝縮された、構成という点で自信の一号とのこと。
あとは、Casa Brutus時代に担当した「安藤x旅」や柳宗里さんの号などをあげておられました。
最新号も宣伝していたけれど、Brutusマニアではない私にはそこまでアピールはありませんでした。
いつからかCasaも質が落ちたなあ、と思って買わなくなったのは、編集長が変わったせいだったのかな、と思いました。

もう一人のスピーカーは博報堂ケトルという代理店のクリエイティブディレクターをしている嶋浩一さんです。PR畑からクリエイティブディレクターという、代理店では異色らしいキャリアから、メディアを超えたコミュニケーションを模索しているユニークな方です。雑誌や本も大好きで、この度リバティーンという雑誌を創刊したということでした。嶋さんが主催している仕事の中で特に興味を惹かれたのは「本屋大賞」です。7年ほど前に始めたにも関わらず、いまでは大賞を取ればベストセラーになるという数少ない賞のひとつ。配本の仕組みから地方の本屋に良い本が届かなくなった現状を危惧して始めた活動だということで、もっと詳しく知りたいと思いました。手がけた仕事どれもが面白そうなので、もう少しDiggしてみようかと思っている方の一人です。

ちなみに、昨日2回目の講義は雑誌「フライデー」などの編集長をつとめた年配の編集者の方で、あまり期待していなかったけど正直詰まらなかった。でも、この講座を立ち上げて後進を育成しようと頑張っておられるようなので、その点で感心します。

今日は長くなったので、この辺で。

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