September 20, 2012

des Medici


すごい金色。
塩野七生さんの本が結構好きな私がフィレンツェに行くと知り、会社の方が貸してくれた下の本。「メディチ家殺人事件」なんて本を塩野さんが書いているのも驚きなのですが、ストーリーとしての面白さもさることながら、メディチ家の黄金時代が終わり、徐々にフィレンツェの街が混乱に陥っていくさなかの様子が良く描かれている本でした。これをフィレンツェを歩き回りながら読んでいて、メディチ家ゆかりの場所も旅仲間からはぐれて一人で巡りました。




本中にも書かれているのですが、メディチ家の主要人物の洒脱さはすごい。
フィレンツェのドゥオモは外観に比べ内部は本当にさっぱりしています。これは着飾った人たちが内部を満たしたとき、上手く調和がとれるように考えられている、ということ。
どこまで本当か分かりませんが、でも訪れたらそんな気がしました。
それに比べ、シエナの教会のゴテゴテしていること。それはそれで好きなんだけど、センスの良さは全然レベルが違うと思った。

それから、もうひとつ興味深いのは、公と私のギャップ。

公の場所は、例えば上の黄金の天井のように、とにかくゴージャス。金にピンクにブルーに。下の柱なんかもそうね。



でも、メディチ家のお屋敷はこれですよ、下。
グレーとクリーム色とダークブラウン。
お金は掛かっているのに極めてシンプル、でもオシャレ。何百年経っても古くない。
ドゥオモと対比してメディチ家のプライベートな教会であったロレンツォ教会も、ファサードはごつごつしたままだし、裏側のプライベートな礼拝堂はもっとダークでシックなのです。(写真をお見せできず、残念。)
市民には市民が喜ぶゴージャスなものを与え、自分は古いものを長く使いながらシックに徹する。なんだかカッコいいなと思ったのでした。




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