February 22, 2010

最近の読書

いまかなり沢山の本を読みかけです。気がついてみると、以前と比べて一冊を最後まで読み終わる確率が減っています。小説は別で、大抵最後まで読むのですが、エッセイやビジネス書は半分くらいしか読みません。なんでだろう。

一冊目:「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略

一冊目に来ているのは今日読み終わったからで、一番面白かったという訳ではありません。非常に軽く、1時間くらいでざっと読みました。正直誰を相手に書いているのかが良く分からない本ですが、いくつかヒントも貰いました。広告代理店はパートナーではなくタダの下請けである。Attentionから始まるマーケティングなんてものはない、など。また、保険のような検討型の商品はどうやって情報を手に入れやすくするか。

二冊目:What the Dog Saw
by Malcom Gladwell

もうしばらく前から読んでいてまだ読み終わってないのですが、本当に面白い。色々な分野で活躍する「ちょっとした天才」について書いたエッセイ集です。表題のエッセイは犬の躾を専門にするコンサルタントの話。それ以外には、テレビショッピング用にちょっとした便利キッチングッズ(家庭用ローストチキン・メーカーをふくむ)を開発して財を築いた親子の話など、「こんなことに命をかけている人がいるのか」という驚きのエピソードばかりです。取り上げられている人物たちはそれぞれ全く違う分野で活躍する人々ですが、ひとつ共通しているといえば「パッション」だと思いました。これだけ情熱をかければ成功する。情熱を持てるということ自体が才能だという気がしました。

三冊目:かのこちゃんとマドレーヌ夫人

万城目学さんの最新刊です。子供向けなのか大人向けなのか分からない、童話のような小説。かのこちゃんは小学校に入学して親指をしゃぶる癖がやっと直った女の子で、マドレーヌはかのこちゃんの家で飼っている玄三郎という犬の奥さん(そして猫)。子供と猫の目線を驚くほど自然に描いた、不思議なお話でした。猫が井戸端会議しているようすや、小学校に入ったばかりの子供たちのまだお互いの距離感を取れないぎこちない様子が素晴らしい。最後には少しほろりとして、温かい読了感でした。

四冊目:戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法
まだ三分の一くらいしか読んでないのですが、本当に面白いです。日常の生活では合理的な状況判断と決断がかならずしも最良とは限らないけれど、ビジネスや政治の世界では戦略的思考は欠かせない。これまで普通のゲーム理論の本は読んだことがあってそれなりに面白いと思ったのですが、本書は応用や複雑な組み合わせにまで触れていて「すごく役に立ちそう!」と思えるようになりました。
スタバでこの本を読んでいたら、隣でだべっていた(本当に「だべる」という言葉がピッタリの)アメリカ人の二人組に「へえ、日本人でも戦略なんて興味を持っている人がいるんだ」と話しかけられました(笑)。それにしてもこの二人、コーヒー一杯で男同士、よくも詰まらない世間話を何時間もできるもんだ。と逆に感心しました。言わなかったけど(笑)。

五冊目:クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める
少し読み始めて、読み終わるかは分からない一冊です。大学のときにかなり勉強した経済地理学と、最近流行のクリエイティブ経済論とを合体させたような内容かな。自分にそれほど目新しいものがなかったので、止まっています。ただ、リチャード・フロリダはクリエイティブ経済の中心地にクリエイティブな人材が集まるという持論のもと、トロントに引っ越したそう。それを知ってトロントいいかも、と思った、単純なわたしです。

六冊目:プライスレス 必ず得する行動経済学の法則
今日買いました。目次を見ても本の構成や論点がさっぱり分からない様子ですが、一章を読んだ感じでは面白い。特に論点はなくてヒント集のような本かもしれません。
日本全体が低価格のスパイラルにどんどんとハマっています。抜け出す道はあるのか。やっぱりひとつのカギは「デザイン」なのではないかと思いました。単純に「より良いデザインのものをつくる」というのではなくて「良いデザインじゃないと恥ずかしいと思う人間をつくる」という意味で。
先日ニュースで、コンビニの高価格帯お弁当が予想以上の売れ行き、と言っていました。そのニュースではその理由を、「節約疲れ」や「メリハリ消費」に根拠づけていました。わたしは違うと思うんですけど。外食をしていた人たちが200円節約して500〜600円のお弁当に切り替えただけなんじゃないかと。このまま外食も減っていくとレストランも益々淘汰されてしまって、なんか都市の豊かな感じが失われてしまうのではないかと寂しい気持ちになりました。
今日もまた少し買い物をしてしまったのですが(反省)、今年とても驚くことは、既に50%や60%オフになっている商品がさらに20〜30%オフされるということ。しかも如何にも売れ残りっぽいモノではなくて、春にも使えそうな普通の商品です。そもそも初期の値付けが間違っていたのか、それとも本当にセールじゃないと売れなくなってきているのかどっちだろう。これは価格付けの新しい戦略?
ともかく、商品の価格だけの問題じゃないけど、経済全体でどうしたらよいのかなあ、と思います。

七冊目:インターネット・ブランディング11の法則
仕事に役に立つかな、と思って読んでいます。既にブランドやチャネルがありながら、ネットで商品を売ろうとするのって本当に難しい。ネットとはチャネルなのかメディアなのか。戦略の舵をどう取るのが良いのか、まだわたしにはサッパリ分かりません。

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