August 21, 2011

旅の記録について

旅行記をぽつり、ぽつり、と読んでみて思うこと。旅の記録。

わたしが旅行に行っていつも気になるのは、まずその街の成り立ちです。それは15世紀に王様がここに砦を築いた、といった成り立ちというよりは、ここにあった川を迂回させてこの崖の一部を崩して、といった成り立ち。
おいしいレストランがどこにあるか、ということよりは、どのあたりの地区にお金持ちが住んでいて高級なレストランがあって、どのあたりは庶民が住んでいて食べているものに違いはあるのか。
空港から市街への交通網はどうなっているのか。
公園はどこにあって、どれくらい安全なのか。誰が利用するのか。どうやって管理しているのか。
建物は何の素材でできているのか。建築コードは?
物価は?地価は?税金は?人種は?

WhyやWhenというよりは、Howが知りたい。

以前プロフィールに「良く出来てるものをどうやって自分でも作れるか観察することが好き」と書きましたが、別に自分が街をゼロから作る訳でもないのに、やっぱりそういう見方をするんだなと思う。それがわたしの視座なのかな。

だから例え旅行記を書いたとしても、自分の心象と街の風景をぼんやりと重ね合わせ、歴史の断片に思いを馳せる、といった内容にはならないだろうということは容易に想像できるわけです。だからかな、余り旅行記を読まないのは。「わたしの知りたいのは貴方(著者)のそんな個人的なことじゃなくてー」と、読みながら突っ込みを入れてしまいかねない。

大学院時代、研究室旅行の初ソウルで最初に訪れたのは、ソウル市役所(笑)。そこで市役所の人とディスカッションしてから工事現場へ連れて行ってもらったのが楽しかった。できれば旅先でいつもこれをやりたい。

すみません、色気の無い旅の目的で。エキサイティングでない旅程の選択で。

旅行に行ったら彼方此方放浪せずに、1カ所に居たい。住んでる人々を詳しく知りたい。
ロマンがないな、と自分でも思うのだけれど。

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